・続き・
もしかして、父の手紙に反応してる!?
ウチは悔しかった。
家族で一番ママを好きな自信があった。
父よりママを大切にしてる自信があった。
でも、これを読み続けたらもしかしたら…
ママが目を覚ましてくれるんじゃないかな?
そんな淡い期待を抱いて、何回も父の手紙を声に出し読み返した。
でも、ママの心電図は元に戻っちゃって…
それ以降動くことはなかった。
ママが意識不明の重体で、病院で寝込んでる。
なのにウチは、小学校に行かされた。
2日後、ウチが小学校に行ってるうちに、ママが死んじゃった。
病院にお見舞いに行く度にウチは涙を流してた。
なのに、ウチは泣けなかった。
皆泣いてた。父も泣いてた。
なのに、ウチだけ、泣けなかった。
ママが死んだことを、自分は悲しんでないのかな?
そんなことを考えちゃって、悲しくなった。
でも絶対に、涙は流れなかった。
骨を拾った。
ママの頭蓋骨の一部が、赤く染まってた。
これはママの血?ってきいたら、そうではないらしかった。
喉仏の紹介とかされた。
別にどーでも良かった。実感なんて、沸かなかった。
それが人の骨である、ということさえ、忘れていたかんじ。
通夜が終わって家に帰って自由帳を取り出した。
「ママなんか死んじゃえ」って言う文字を
「ママ、がんばって、生きぬいて」に変えてた。
もうママは死んじゃってるのに。
今更書き換えたって、ママが帰ってくるわけじゃないのにね。
無意識にした行動だった。
ママが居ないことが悔しくて、両親が離婚してる男友達を馬鹿にした。
そしたら、「お前の母ちゃんなんて死んでるくせに」って言われた。
なのにウチは、笑ってた。
「お前バカだろ」って言ってた。
これも無意識だった。
今、うちは中学2年生。
絶対に「死ね」と「殺す」は言えんくなった。
絶対に、暴力だけはふるえんくなった。
今でもドアのノックが聞えると、
ふと「お母さん?」って思ってしまう。
解約したママの携帯番号に、電話をかける。
まだ繋がってる気がするから。
「ママ、死んじゃった」
簡単に言えるのに。
まだママが帰ってくるって、心のどこかで信じてる自分が居る。
きっとウチはまだ、
ママが死んだことを
認めきれずにいるんだと、思う…。
認めなきゃ、いけないね。
頭は分かってるんだけど
もしかしてって…
心がついていけないの。
もっと、大事にしてればよかった。
死ねなんて言わなければ良かった。
ママの笑顔、大好きです。
ママの笑顔、忘れられません。
のんは、ママが、世界で一番大好きです。
長文な上、乱文で、お目汚し失礼いたしました。
読んでくれて、ありがとうございました。
がんばって、認めたいと思います。
これに書いたことで、お母さんの死を、認められた気がします。
本当に、ありがとうございました。