母のことを文にするのは人生で2回目だ。
一回目は・・小学校6年生の時の参観日の『家族について』で母のことについて書いた。
今日で2回目だ。私が小さい頃から母は精神的な病気で入退院を繰り返している。
『育児ノイローゼ』だとか『精神分裂症』だとか聞かされていた。
自分のことを『私はマリーアントワネット』だ。とも言っていた。
小学生の頃、『今日からこの家に帰ってこなくていい。』と捨てられた。
でも帰る所のない私は家へ帰った。
ドアを叩いても出てくれない。小さなボロいアパートだ。中に居るのはわかる。
夜遅くになり、電気が点いた時にドアを叩くと何もなかったように中に入れてくれた。
その月に入院が決まった。
入院する直前には、家族のこともわからなくなり、敵視されていた。
『どこか知らない場所に連れて行かれてたまるもんか!!』と・・。
収拾がつかないので、救急車で母を病院に連れて行った。
暴れていた。『殺されるっっ!!』とも叫んでいた。
小さいながらにも痛々しくて、涙が出た。
もう母に会えないんではないかと・・。
救急車に運ばれて行ってからの部屋はガランとしていた。
家はとても貧乏で父が家に帰って来なかったら食費すらなかった。
週に1,2度しか帰って来ない父。食事も貧相なものだった。
でも、病気の症状が出るまでの母はとても明るく振る舞い、『今日はお母さんお腹空いてないから、あんたらいっぱい食べ!!』と笑っていた。
家にお金がある時に見よう見まねで作らせてくれた、私の料理を残さず食べてくれた。
母がいなくては生きていけないとさえ思った。
なのに・・今、あなたのことを恥じている自分がいる。
なぜ、あなたの子に生まれたのだろう?
なぜ、自慢できる母じゃないのだろう?
なぜ、あなたは病気なの?
なぜ、自分は捨てられたのだろう・・と。
もう何年、喋ってないだろう。
今は社会復帰もできない母。
私の名前を覚えているだろうか?
顔を見て『あき』と呼んでくれるだろうか?
あの一番最初にあなたのことを書いた時には、あなたが居たかどうかは覚えてません。
でも、あなたへの手紙を書いていたのに泣いて読めなくて先生に読んでもらったことは覚えている。
本当に大好きだった母。私はまだ、あなたにかける言葉が見つかりません・・。
なんて呼べばいいのかもわかりません。
あなたは私のこと、覚えてますか?